jewel box

3      忘れかけた真理を思い出させてくれるサファイア

「きみのバラをかけがえのないものにしたのは、
きみが、バラのために費やした時間だったんだ」
 
( Antoine de Saint-Exupery 「星の王子さま」 “Le Petit Prince”より)
 
 
もちろんぼくのバラだって通りすがりの人が見れば、
きみたちと同じだと思うだろう。
でもあのバラだけがきみたち全部よりも大切だ。
ぼくが水をやったのはあのバラだもの。
ガラスのおおいをかけてやったのも、あのバラだもの。
ついたてで守ってやったのも、
毛虫をやっつけてやったのも。
文句を言ったり自慢したり、
ときどきは黙りこんだりするのにまで、耳をかたむけてやったのも。
だって彼女は、ぼくのバラだもの。
 
 
 
出産をした友人が、いくらかわいくても1日では親子になれないと言っていたな。
 
私が両親に愛されているのは、私が愛らしい子供だったからではなく、両親が時間と労力、お金といった大切なものをたくさんたくさん費やして私を育てたから。
 
真の友達に恵まれている人というのは、やはりその友達のために、時間を、心をたくさんたくさん費やしていました。
 
通りすがりに隣の家の犬をなでてかわいがるような愛情では、かけがえのないものになんてなるわけがない。
 
私には衝撃でした。
かけがえのないものにしたのは、バラを思うまごころでも誠意でもなく、費やした時間だというではありませんか。
 
でもよく考えたら、まごころをもっても、それで自分が失うものはない。
決して悪いことではないけれども、心や言葉というのは行いがともなわなければ虚しいきれいごとにもなり得るのだから。
 
忙しい現代社会の中に生きながら、お金と比べられるほど大切な大切な「時間」。
その時間を他のために費やすということこそ、本当のまごころですね。
 
時間そのものだけでなく、その中に含まれる身心のエナジー他、自分にとって大切なものを犠牲にして相手のために使うこと、かけがえのない相手にしかできないことだし、それができれば相手はかけがえのない存在になる。
 
 
感動させる言葉や、びっくりさせる贈り物なんかよりも、大事な人とは正面から向き合って、自分の大切な時間を費やして、当たり前のことを、根気のいることを、目立たないことを、ていねいにていねいに行うその積み重ね。
 
この華やかでないことの積み重ねこそが実は貴重な宝物であることを、忘れないでいたい。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
2009/04/11
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Last updated: 2011/5/24